飯野山に伝わる伝説
昔々、大昔「おじょも」という大男がおったんやと。
このおじょもは山を造るのが得意で、日本中を歩きながら山をつくっておったんやと。
「讃岐の国にも、山を造ろうか」と瀬戸の海をひとまたぎ。
「むすびのようにけっこい三角の山を造るぞ」とそおっと土地を落としてできたんが讃岐富士と呼ばれている飯野山なんや。
「この飯野山が一番のええ出来じゃ」と眺めているうちに、おじょもは小便がしとうなったんやと。
できたばかりの飯野山と琴平の象頭山(大麻山)に足をかけて、「しゃー」いうて大雨のような小便をしたんや。
すると、たちまち大きな川ができて、それが今の土器川になったんや。
そやけん、飯野山には足をかけた時の足跡が、今もちゃんと残っておるやろ。
それから、何百年かたった後のことや。
丸亀と宇多津にある青の山も、飯野山と兄弟なんや。飯野山の方が兄ちゃんで、青の山が弟。二つの山は距離も近いけん、何かと張り合っておったんじゃ。飯野山はかっこの良さと、背の高さを自慢げにしとったんやと。そやけど、青の山も昔は同じくらい背が高かったけん、青の山も負けとらんわな。飯野山よりわがの方が背が高いし木々も青々としとるいうて、互いに言い合いよったんやと。そのうちとうとう飯野山と青の山が掴み合いの大ゲンカを始めて、かんかんに怒った飯野山が青の山の頭をスパッと切ってしもうたんやと。それを見ていた象頭山が、飯野山をしかって頭をぶったので、飯野山の東にはちょっとたんこぶができていて、青の山のてっぺんは平らになってしもうたんやと。
今では、二つの山は仲直りして、なかよく並んですわっとるじゃろ。 |